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なぜ今、吉田寮食堂で芝居をやるのか。


ちょうど一か月前、僕はここで芝居をやった。全公演が終わって、ビールを飲んでいた。(吉田寮食堂は、終演後、お酒が飲めます。)益山貴司と新藤江里子と、三人で飲んでいた。二人は前日にゲストで出演してくれていて、その日改めて客席から芝居を観たのだった。益山貴司は背が高い。185位ある。腕を広げるとちょうど一間(昔の長さの単位)あるそうで、舞台に使う板とかを測るのに便利らしい。彼は、子供鉅人という劇団を主宰している。元々は大阪で活動していたけれど、何年か前に東京に拠点を移している。東京に行ってからは、一緒に芝居をしていない。

酒が進んで、僕は席を立った。
トイレから帰ってきて、「あれ、いないな。」と思っていたら、腕を大きく広げた益山貴司が、食堂の中を歩き回っていた。劇団の制作を務める新藤江里子が彼を早足で追いかけながら、今、原稿の締め切りがいくつあるのかを早口で伝えていた。彼は、食堂の寸法を測っていた。

 

「結構、いい芝居だったから、自分もやりたいと思った。」と言ってくれた。
すごく嬉しかった。
出来を誉められたからではないよ。

なぜ今、吉田寮食堂で芝居をやるのか。
吉田寮を残したいからです。
建物を残したいからではないよ。

企画責任 小林欣也

 

前回公演はこちら

https://kinya5890.wixsite.com/shokudoukouenima
吉田寮が今、どういう状況か、簡潔に記しています。

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